みやわきろく

インタネッツに雑念を放流する

ファンレター文化と万年筆

 わたしはもともとファンレターというものを書くタイプではなかった。
 追っていたバンドがメジャーデビュー済のバンドだったし、ファンレターを送るにも事務所に郵送するしか手立てがない。「郵送する」という一手間があるだけでもハードルはかなり上がる。ファンは続けているものの、そのハードルを超えるだけの熱量がなかったので送らなかった、というのもある。


 そんなわたしも今では立派な(?)ファンレター芸人と化してしまった。さすがに毎回の現場のたびに書く、というところまではしないものの(とはいえ友人で毎回書いている人もいる。素直にすごいなと思う)、何か伝えたいことがあるたびに書くようにはしているので結局月1くらいのペースで書いているのではないだろうか。

 わたしがこんなにファンレターを書くようになったのは、POIDOLの2nd Sg.「エウレカ」が発売した頃以降のことだ。

 前にもこのブログに書いたような気がするが、「エウレカ」のType Bに収録されている「MiMiC」の歌詞が当時の自分にはとても”刺さる”ものだった。

MiMiC

MiMiC

  • POIDOL
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

壊して 嘘だらけの世界
君の声は何処だ?

 当時は病気を患っていたせいもあって、自分が言いたいことだったり、本当にやりたいことだったりを発信できない状態になっていた。他人の目を必要以上に気にしすぎていたのかもしれない。そんな自分に対して、この曲を通じて「ちゃんと自分の声でNoと言っていいんだよ」と伝えてくれているような気がした。実際、わたしはこの曲に救われて、自分がやりたかったこと―写真を通じて自分の思いを表現すること―ができたというところがある。
 わたしが一部の批判をかわしながらやりたいことができるようになったのも、「MiMiC」のおかげでありその歌詞を生み出してくれたナナくんのおかげだった。ならばお礼を言わなければいけない。そう思って、わたしは筆をとった。どうしてもお礼を言わなければ気が済まない。その一心だった。

 感謝の心を精一杯に詰めこんだ手紙をスタッフ経由で渡してから1週間後、大阪のインストアイベントでナナくんから直接「お手紙ありがとうございました、嬉しかったです」という言葉をもらった。
 正直、手紙は読まれていないものだと思っていた。一応「不審者ではないですよ」という署名がわりに、当時使っていたTwitterアカウント名を添えていたのでそこで手紙の主と本人との照合ができたのかもしれないが、それにしたって中身に目を通してくれているという事実が嬉しかった。それに、手紙の内容に触れてちゃんとお礼を言ってくれるというあたり、本当に素直で真面目な人なんだなあと感心した部分もある。

 それ以来、わたしは節目節目でメンバーに手紙を書くようになった。反応をもらって嬉しかったから、という理由は多少なりともあるものの、それ以上に「言葉にして伝えることで彼らのモチベーションが上がるかもしれない」というところに喜びを感じていた部分がある。


 リアルの友達付き合いでも、少し言葉が足りなかったせいで関係がこじれることはよくある。言いたいことを言えなかったがために関係が壊れてしまうということも多々経験してきた。
 「言葉にしなくてもきっと伝わっているはず」。そう思っていたとしても、結局人間は意識を共有することができないのだから、自分が思っていることをきちんと言葉にして伝えないと相手には伝わらない。わたしがPOIDOLのライブを見てどう感じたか。それを伝えることで彼らのライブがもっともっと良くなっていくのならば率先してやっていきたい。そう思ったのだ。


 わたしはもともと字がそこそこきれいな方ではあった。母親の教育の賜物*1なのでその点については本当に感謝している。
 とはいえボールペンで手紙を書くとやっぱりちょっと字が崩れてしまう。ということで、万年筆を使ってみることにした。

 初心者向け、ということでパイロットのカクノを選択。Amazonリンクだと普通のモデルだが、わたしが買ったものは少し異なる。


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 ボディの部分に神戸の港町が描かれている。これは神戸の文具店、ナガサワ文具センターオリジナルのモデルだ。かわいいでしょ。
 せっかくならインクも変えたいということで、インクは同じナガサワ文具センター謹製の「神戸INK 六甲フォレストブルー」にした。

 この「六甲フォレストブルー」は12月に発売したばかりの新色。紺と黒の中間くらいの色合いであるものの、筆記の仕方によってグラデーションにも見えるのが面白い。普通の黒より少し青みがかったものがほしかったので大満足。
 まだこのペンとインクで手紙を書いてはいないものの、試し書きをした感じだとすごくお気に入りなので実際に書くのが楽しみになるペンとインクだ。ちょっと字もきれいになったような気持ちになる(笑)

 というわけで、ファンレター。楽しいですよ。便箋や封筒にこだわるのもまた一興。ぜひ試してみてください。

*1:彼女は自分の字が汚いのがコンプレックスだったらしい