みやわきろく

インタネッツに雑念を放流する

人生で一番エモい夏

2018年8月31日、わたしは仕事を終え品川発の新幹線に乗っていた。
8月上旬に当時の職場に退職願いを提出し、その取り扱いが数週間も曖昧なままになっていたので、午後しか休みが取れなかった。本当ならもっとゆっくり向かえていたはずなのに、と苛立ちながら電車に乗ったことはよく覚えている。


POIDOLもNeverlandもInitial’LもREIGNも、何よりこのときすでに活動休止を発表していたFEST VAINQUERも出る。ひとつのイベントライブでここまで観たいバンドが被るというのも珍しい。何よりその時期はもう当時勤めていた会社も辞めるつもりで退職願を出しており、しかし2週間経っても受理されたのかどうかまったく連絡がないというなんとも微妙な状態で、要はもうあまり会社に行きたくなかった。行こうとすると腹痛が起こるようにもなっていたところだったし。
そんなわけでわたしは職場から名古屋に直接向かい、そのまま夜行バスで帰るというわずかな無茶をした。

「平成最後の夏だからね」

この言葉を免罪符にしていたところはあるかもしれない。


出演順は確か以下の通りだったと思う。
1)Initial’L
2)POIDOL
3)Neverland
4)REIGN
5)THE THIRTEEN
6)FEST VAINQUER
整理番号がそこそこよかったのでPOIDOLの最前をおさえ、他は段の上で観ることにした。
Initial’Lはlittle Hearts.主催のイベントで何度か観たことがあり期待していたのだが、ボーカルが喉をやられたといったようなことをMCで話していて、確かに苦しそうな声で歌っていた。
後にTwitterで声を潰した原因が酒だったと知って失望したし、Initial’Lの出番が終わって最前を交代してもらったときに「こんなものを観に来たわけじゃない」とファンの方が話しているのを聞いていたたまれない気持ちになった。

バンドにとってライブひとつひとつはもしかしたら「ただの1本」かもしれない。
しかし、前々から聴いてみたかったけれども都合がつかずやっと観られた「1本」かもしれないし、事情で通えなくなってしまう人の最後の「1本」だという可能性もある。そんな人たちの貴重な「1本」かもしれないライブを、酒のせいにして不完全なコンディションで挑むということが、ファンじゃないわたしとしても許せなかった。ファンの心境は計り知れない。

そんなライブを最初に観てしまいちょっとテンションが下がった部分はあったけれど、本当の目当てだったPOIDOLも他のバンドもそんなテンションを取り返すほどのパフォーマンスを見せてくれていた。
バンドのメンバーの皆さんが「夏の最後の日だから」と意識してセットリストを組んだのかどうかはこちらにはわからないのだけれど、Neverlandの「地球最後のラブソング」もFEST VAINQUERの「夏空花火」も夏の最後の日を彩るのにぴったりすぎて、イベント全体として2018年の夏という二度と訪れない季節を見送るようなものになっていたと思う。

特に「夏空花火」はトリだったFEST VAINQUERの、それも最後の曲だった。

夏空花火

夏空花火

  • FEST VAINQUEUR
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

現体制では最後となる夏の終わりの日をしんみりと、ではなく明るく終わるというのがとても彼ららしい。毎年自分たちでフェスをやって屋台まで出しちゃう*1ような人だからね。
活動休止期間のことを考えると来年の夏にももしかしたらこの曲を聴くことはできないのかもしれない。それでも、また笑顔でこの曲を聴こうと約束してくれるような空気がそこにはあった。

この夏、わたしは間違いなく人生で一番エモい夏を過ごした。
今はこう確信しているけれど、来年はさらにエモい夏が過ごせると思っている。でないと人生楽しくないもんなあ!

*1:FEST FES。HALさんからかき氷を買った。笑